年度末の転職で賞与を受け取る条件は?

年度末の転職で賞与を受け取る条件は?

年度末に転職する場合でも、賞与を受け取れることはあります。ただし、賞与の算定期間、支給日に在籍しているか、退職日がいつか、会社の賞与規程にどのような条件があるかによって結論が変わります。

「年度末まで働いたから必ず支給される」「退職を申し出たら必ず対象外になる」とは限りません。まずは就業規則や賞与規程で、支給条件を確認してください。

年度末の転職で賞与を受け取る主な条件

受給できるかを判断するには、次の4点を確認します。特に重要なのは、賞与の支給日に在籍していることが条件になっているかどうかです。

  • 賞与の算定期間に勤務しているか
  • 賞与の支給日に在籍しているか
  • 支給日より前に退職日を迎えていないか
  • 勤務実績や会社業績など、別の支給条件を満たしているか

賞与は、法律によって一律に支給が義務付けられているものではありません。会社が賞与を支給する制度を設けていても、支給条件や金額の決め方は、雇用契約書、就業規則、賃金規程、賞与規程などに定められています。

「支給日に在籍」が条件なら、退職日が重要

賞与規程に「支給日に在籍する従業員を対象とする」と定められている場合、支給日より前に退職すると、算定期間中に働いていても対象外になる可能性があります。

状況 受給の判断
算定期間に勤務し、支給日にも在籍している ほかの条件を満たせば、受け取れる可能性が高い
算定期間に勤務したが、支給日前に退職する 在籍要件があれば、対象外になる可能性がある
支給日を過ぎてから退職する 在籍要件は満たすが、勤務実績など別の条件の確認が必要
支給日や算定期間が規程に明記されていない 会社への確認が必要で、規程だけでは判断できない

ここでいう「在籍」は、最後に出勤した日ではなく、通常は雇用契約が終了する退職日を基準に考えます。たとえば、退職日まで有給休暇を取得していて最後の出勤日が早くても、退職日が賞与支給日より後なら、支給日に在籍している扱いになる可能性があります。ただし、最終的には会社の規程と個別の契約内容を確認してください。

算定期間に働いていても、賞与額が減ることがある

賞与の算定期間は、支給日より前の一定期間です。たとえば、年度末に支給される賞与について、前年の特定月から当年の特定月までを算定期間としている会社があります。

算定期間の一部しか勤務していない場合は、在籍期間に応じて減額されることがあります。また、欠勤、休職、勤務評価、会社の業績などを賞与額に反映する規程もあります。

そのため、算定期間をすべて勤務していても、支給額が満額になるとは限りません。賞与規程に「算定期間」と「支給額の決定方法」があるかを確認しましょう。

転職先の賞与は、入社時期によって対象外になりやすい

年度末に転職する場合、転職先の賞与をすぐに受け取れるとは限りません。転職先の賞与については、入社後の算定期間にどれだけ在籍したか、支給日に在籍しているかなどが基準になります。

入社直後の賞与を「寸志」として支給する会社もありますが、これは会社ごとの制度です。支給の有無や金額を推測せず、内定通知書、雇用契約書、就業規則などで確認してください。

転職前の会社の賞与と転職先の賞与は、それぞれ別の規程で判断されます。前の会社で賞与を受け取れる予定でも、転職先の賞与が同じ年度に支給されるとは限りません。

転職前に確認する具体的な項目

転職を決める前に、現在の会社と転職先について、次の項目を確認すると判断しやすくなります。

  1. 現在の会社の就業規則や賞与規程で、算定期間を確認する。
  2. 賞与の支給予定日と、「支給日に在籍していること」などの条件を確認する。
  3. 自分の退職日が、賞与支給日の前か後かを確認する。
  4. 欠勤、休職、勤務評価、業績などによる減額条件を確認する。
  5. 転職先の雇用契約書で、賞与の有無、算定期間、入社初年度の扱いを確認する。
  6. 不明点は、人事・総務部門に「算定期間」「支給日在籍要件」「退職予定者の扱い」を具体的に質問する。

会社に確認するときは、「年度末まで働けばもらえますか」とだけ聞くよりも、「賞与の算定期間はいつからいつまでですか」「支給日に在籍していることは条件ですか」「退職日が支給日後の場合の扱いはどうなりますか」と分けて尋ねると、条件を確認しやすくなります。

退職を申し出たことだけで賞与が決まるわけではない

賞与の扱いは、退職の意思を伝えた日だけで決まるとは限りません。退職予定者を減額・不支給とする規定がある場合は、その内容や適用条件を確認する必要があります。

一方で、会社の規程や雇用契約で支給条件が定められている場合は、単に「退職する予定だから」という理由だけで判断できないことがあります。支給条件、算定方法、退職日、実際の勤務状況を分けて確認してください。

不支給や減額の理由が規程と合っていないと感じた場合は、賞与規程、雇用契約書、支給実績、会社からの説明を保存したうえで、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどに相談する方法があります。ただし、賞与の契約上の支払い義務に関する判断は、規程や契約内容によって異なります。

年度末の転職で賞与を受け取れるかは、算定期間だけでなく、支給日在籍要件と退職日で決まることが多いといえます。最初に賞与規程で支給日・算定期間・在籍要件を確認し、そのうえで現在の会社と転職先の条件を別々に判断しましょう。