営業職の転職で履歴書に実績を書くときは、「何を担当し、どのような工夫をして、どんな結果を出したか」を数字で簡潔に示します。履歴書には要点を絞って書き、売上や達成率などの詳しい実績は職務経歴書で補足すると、採用担当者に伝わりやすくなります。
営業職の履歴書に実績を書く基本の型
営業実績は、次の順番でまとめると書きやすくなります。
- 担当した商品・顧客・営業方法を書く
- 目標や課題を示す
- 自分が行った工夫を書く
- 売上、達成率、件数などの結果を示す
文章にすると、次の型になります。
「〇〇を担当し、△△という課題に対して□□を実施。その結果、◇◇を達成した」
たとえば、次のように書けます。
法人向けITサービスの新規営業を担当。業界別に提案資料を作成し、商談後のフォローを強化した結果、年間売上3,000万円、目標達成率120%を達成。
これは、担当内容、工夫、成果が一つの文章に入っています。単に「営業を頑張った」「売上に貢献した」と書くより、実績の大きさや仕事の進め方が伝わります。
履歴書と職務経歴書で実績の詳しさを分ける
履歴書では代表的な実績を短く書き、職務経歴書では数字の背景や具体的な行動まで説明します。履歴書の職歴欄はスペースが限られるため、すべての実績を詰め込む必要はありません。
| 書類 | 書く内容 | 文章量の目安 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 担当業務と代表的な成果 | 1〜2文程度 |
| 職務経歴書 | 営業対象、目標、行動、成果、役割 | 項目ごとに詳しく記載 |
| 自己PR欄 | 実績につながった強みや再現性 | 実績を1つ選び、強みと結び付ける |
履歴書の職歴欄に詳しく書けない場合は、「詳細は職務経歴書に記載」としても構いません。ただし、履歴書だけを見ても営業職としての成果が分かるよう、代表的な数字は一つ入れておくと効果的です。
営業実績は売上以外の数字も使える
売上金額だけが営業実績ではありません。営業の役割や商材によって、評価される数字は異なります。
- 売上金額、粗利、前年対比
- 目標達成率、社内順位
- 新規顧客の獲得件数
- 既存顧客の継続率、解約率
- 商談数、受注率、成約件数
- 担当顧客数、営業エリア
- 営業プロセスの改善件数や作業時間の削減
たとえば、売上を公開しにくい場合は、「新規契約を年間30件獲得」「受注率を15%から25%に改善」のように、割合や件数で示せます。数字を出せない場合も、「営業部20人中3位」「主要顧客を担当」といった相対的な情報で補足できます。
営業の種類別に実績を書く例
新規開拓営業の書き方
新規開拓営業では、顧客をどのように見つけ、何件の商談や受注につなげたかを書きます。
計算例:新規開拓営業として法人顧客への電話・メールによるアプローチを担当。業界別の提案内容を整備し、月間商談数を40件から60件に増加、年間新規契約25件を獲得。
「訪問件数が多い」だけでは成果が分かりにくいため、商談数、受注率、契約件数など、営業活動の結果まで書くことが大切です。
既存顧客営業の書き方
既存顧客営業では、継続利用、追加受注、取引拡大などの成果を示します。
計算例:既存顧客80社を担当。利用状況に応じた定期提案を行い、既存顧客からの追加受注を年間1,200万円獲得し、担当売上を前年比110%に拡大。
既存顧客を担当していた場合は、「何社を担当したか」と「どのように取引を広げたか」を組み合わせると、顧客管理の力も伝わります。
ルート営業の書き方
ルート営業では、訪問先の数だけでなく、関係維持や課題解決による成果を示します。
計算例:既存取引先50社へのルート営業を担当。販売データをもとに商品構成を見直し、担当エリアの売上を前年比115%に改善。
訪問や受注が中心の仕事でも、「提案によって売上がどう変わったか」まで書けると、単なる定期訪問ではないことが分かります。
個人向け営業の書き方
個人向け営業では、成約件数や目標達成率に加え、顧客の希望を聞いた提案力も示します。
計算例:個人顧客向け住宅販売を担当。希望条件を整理した提案と契約後のフォローを徹底し、年間成約18件、目標達成率125%を達成。
実際の数字が分かる場合は、期間と対象を添えてください。「年間18件」だけでなく、「20XX年度に年間18件」のように時期を示すと、実績の条件が明確になります。
実績の数字が少ない場合の書き方
入社後の期間が短い、営業事務から営業へ移った、営業目標が設定されていなかったなどの理由で、売上実績を書きにくい場合があります。その場合は、営業成果につながる行動や改善実績を示します。
- 新規顧客へのアプローチを月○件実施
- 見積書や提案資料の作成を月○件担当
- 問い合わせへの初回対応時間を○時間から○時間に短縮
- 顧客管理表を整備し、対応漏れを削減
- 先輩社員に同行し、○か月で単独商談を開始
たとえば、「営業目標は未設定だったが、顧客からの問い合わせを月50件担当し、対応履歴の管理方法を見直した」と書けば、成果だけでなく業務への取り組みも伝えられます。
ただし、応募先が売上目標を重視する営業職の場合は、売上実績がないことを無理に隠すのではなく、担当範囲や今後生かせる経験を補足することが重要です。
数字を書けない営業実績のまとめ方
取引先との秘密保持契約や社内規定により、顧客名や売上金額を公開できない場合があります。数字を完全に省くのではなく、公開できる範囲の情報に置き換えます。
| 公開しにくい情報 | 置き換え方の例 |
|---|---|
| 顧客名 | 大手製造業、医療法人、官公庁など業種・顧客区分で示す |
| 売上金額 | 目標達成率、前年比、成約件数で示す |
| 商品名 | 法人向けシステム、業務用機器など概要で示す |
| 社内順位 | 順位が公開可能な場合だけ使用し、難しければ達成率で示す |
「大手企業を担当」「高額商材を販売」といった表現だけでは、規模や成果が分かりません。公開できる範囲で、担当社数、契約件数、前年比などを加えてください。
社内規定で公開が禁止されている数字は書かず、応募先から確認された場合に説明できる範囲を事前に整理しておきます。
実績から営業の強みを伝える方法
実績は、数字を書くだけでなく、応募先で生かせる強みと結び付けます。次のように、成果につながった行動を明確にしてください。
| 実績につながった行動 | 伝えられる強み |
|---|---|
| 顧客の課題を聞き出して提案内容を変えた | 課題把握力、提案力 |
| 商談後の連絡方法や頻度を見直した | フォロー力、関係構築力 |
| 営業先を業種別に分けて提案資料を作った | 分析力、営業企画力 |
| 社内の技術担当や事務担当と連携した | 調整力、チームワーク |
| 訪問・対応の優先順位を整理した | 計画性、業務改善力 |
たとえば、次のように書けます。
顧客の利用状況を分析し、課題に合わせた追加提案を実施。担当顧客の追加受注を前年比130%に拡大した。顧客ごとに提案内容を変える課題解決型の営業を強みとしている。
この書き方なら、結果だけでなく、別の会社でも再現できそうな仕事の進め方まで伝わります。
営業職の履歴書で避けたい実績の書き方
次のような書き方は、実績の評価につながりにくくなります。
- 「営業を頑張った」「顧客と良好な関係を築いた」だけで終わる
- 売上金額だけを書き、期間や目標が分からない
- 会社全体の実績を自分の成果のように書く
- 実際には担当していない成果を大きく見せる
- 応募先と関係のない実績を並べすぎる
- 守秘義務に反する顧客名や取引情報を書く
「売上1,000万円」と書く場合も、個人の売上なのかチームの売上なのか、期間はいつなのかを明確にします。自分の担当範囲が分からない数字は、採用担当者が評価しにくいためです。
提出前に確認するポイント
履歴書を提出する前に、次の点を確認してください。
- 実績の期間が書かれているか
- 自分が担当した範囲が分かるか
- 目標達成率や前年比など、比較できる数字があるか
- 実績につながった行動が一つ以上書かれているか
- 数字や表現に誤りがないか
- 顧客名や売上など、公開してよい情報だけを使っているか
- 応募先の営業スタイルで生かせる経験になっているか
営業職の転職で履歴書に実績を書くときは、まず代表的な成果を一つ選び、「担当業務・工夫・数字の結果」の順にまとめることから始めてください。履歴書は簡潔に、職務経歴書は背景まで詳しく書き分けると、営業経験と応募先で生かせる強みの両方が伝わります。







