営業職から転職する際、退職後に必要な手続きは?

営業職から転職する際、退職後に必要な手続きは?

営業職から転職する場合、退職後に必要な手続きは営業職かどうかではなく、次の会社へすぐ入社するか、入社まで期間が空くかで変わります。転職先が決まっていて退職日の翌日から働くなら、多くの手続きは転職先が行います。一方、空白期間がある場合は、健康保険・年金・雇用保険・住民税などを自分で確認して手続きします。

退職後に必要な手続きの全体像

手続き 転職先にすぐ入社する場合 入社まで期間が空く場合
健康保険 転職先の健康保険へ加入 任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の扶養から選択
年金 転職先が厚生年金の加入手続きを行う 国民年金への切り替えが必要
雇用保険 転職先で加入 求職するならハローワークで失業等給付を申請
住民税 転職先で給与天引きを続けられる場合がある 自分で納付するケースがある
所得税 前職の源泉徴収票を転職先へ提出 年末時点の就職状況により、確定申告で精算

退職時には、離職票、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、健康保険資格喪失証明書など、転職後の手続きに使う書類を受け取るか、発行時期を確認しておきます。

転職先にすぐ入社する場合の手続き

退職日の翌日から転職先で働く場合、健康保険と厚生年金は通常、転職先が加入手続きを行います。前職の健康保険証や資格確認書がある場合は、退職後に使えないため、前の勤務先へ返却します。

転職先には、次の書類の提出を求められることがあります。

  • 年金手帳、基礎年金番号通知書、または基礎年金番号が分かる書類
  • 雇用保険被保険者証
  • 前職の源泉徴収票
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 扶養家族に関する書類

前職の源泉徴収票は、転職先で年末調整を受けるために必要です。退職直後に受け取れない場合は、前の勤務先へ発行時期を確認し、届いたら転職先へ提出します。

入社日までに空白がある場合

「退職日の翌日」と「転職先の入社日」の間に1日でも空白がある場合、その期間について健康保険と年金の加入先を確認する必要があります。たとえば、3月31日退職、4月1日入社なら通常は空白がありませんが、3月31日退職、4月15日入社なら4月1日から14日までの扱いを確認します。

短い空白期間でも、健康保険と年金を自動的に前職のまま利用できるとは限りません。

健康保険は3つの選択肢から選ぶ

退職後に健康保険へ加入していない状態を作らないため、原則として次のいずれかを選びます。

  1. 前職の健康保険を任意継続する
  2. 市区町村の国民健康保険へ加入する
  3. 家族が加入する健康保険の扶養に入る

任意継続を利用する場合

任意継続は、退職前に加入していた健康保険を退職後も続ける制度です。申請できるかどうかや保険料は、加入していた健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)に確認します。

一般に、任意継続の申請には退職後の一定期間内、通常は資格を失った日から20日以内という期限があります。期限を過ぎると申請できないことがあるため、退職前後に加入先へ確認してください。

国民健康保険へ加入する場合

国民健康保険へ切り替える場合は、住民票のある市区町村の窓口で手続きします。一般に、健康保険の資格を失った日から14日以内が届出の目安です。

手続きでは、健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーが分かる書類などを求められることがあります。必要書類や保険料の計算方法は自治体によって異なるため、先に市区町村へ確認します。

家族の健康保険の扶養に入る場合

家族が会社員などで健康保険に加入している場合、一定の収入要件などを満たせば、その健康保険の扶養家族になれる可能性があります。

扶養に入れるかどうかは、家族が加入する健康保険の基準で判断されます。退職日や今後の収入見込みが分かる書類を用意し、家族の勤務先を通じて確認してください。

年金を国民年金へ切り替える

転職先で厚生年金に加入するまで期間が空く場合は、国民年金への切り替えが必要です。手続きは住所地の市区町村窓口や年金事務所で行い、一般に退職日の翌日から14日以内が届出の目安です。

保険料の支払いが難しい場合は、未納のままにせず、免除や納付猶予を申請できるか確認します。退職を理由に利用できる特例がある場合もありますが、審査や対象期間があるため、年金事務所または市区町村の窓口で確認してください。

国民健康保険と国民年金は別の制度です。国民健康保険の手続きをしただけで、国民年金の切り替えまで完了するとは限りません。

雇用保険の手続きと失業等給付

転職先を探す期間があるなら、住所地を管轄するハローワークで求職の申込みを行い、失業等給付を受けられるか確認します。給付は自動的に始まるものではなく、受給資格の確認と求職活動が必要です。

通常は、前の勤務先から受け取る離職票、本人確認書類、マイナンバーが分かる書類、写真、本人名義の預金通帳などを持参します。必要書類はハローワークや離職理由によって異なるため、離職票が届いたら管轄のハローワークへ確認します。

自己都合退職か会社都合かで扱いが変わる

離職理由によって、受給資格の確認や給付を受け始めるまでの扱いが変わることがあります。営業職でよくある「ノルマが厳しい」「成績が伸びない」といった事情だけで、会社都合退職になるとは限りません。

退職理由に事実と異なる記載がある場合は、離職票を確認したうえで、ハローワークに事情を説明します。雇用契約書、会社からの通知、退職を勧められたことが分かる資料などが判断材料になる場合があります。

すでに次の会社への入社が決まっていて、求職する必要がない場合は、失業等給付の対象にならないことがあります。入社日までの状況を含めて、ハローワークで確認してください。

住民税の支払い方法を確認する

住民税は、前年の所得をもとに課税されるため、退職後に収入がなくても支払いが残ることがあります。退職時期によって、最後の給与や退職金からまとめて天引きされる場合と、後日、自分で納付する場合があります。

納付書が自宅に届いた場合は、記載された納期限までに支払います。転職先の給与から天引きする方法へ変更できるかどうかは、退職時期や自治体、転職先の手続きによって異なります。

退職時に会社から受け取る住民税の案内や、自治体から届く納付書を確認し、分からない場合は市区町村の住民税担当窓口へ問い合わせます。

源泉徴収票と所得税の手続き

前の勤務先から受け取る源泉徴収票には、その年の給与額や源泉徴収された所得税額が記載されています。年内に転職した場合は、通常、前職の源泉徴収票を転職先へ提出し、転職先で前職分と合わせて年末調整を受けます。

年内に再就職しなかった場合は、勤務先で年末調整を受けられないため、確定申告をすると所得税が戻ることがあります。ただし、還付を受けられるかどうかは給与額や源泉徴収税額などによって異なります。

源泉徴収票が届かない場合は、まず前の勤務先へ発行を依頼します。それでも対応されない場合の相談先については、税務署へ確認してください。

退職時に受け取る書類を確認する

退職後の手続きに使う主な書類は次のとおりです。すべての人に同じ書類が必要とは限りませんが、受け取ったか、後日発行されるかを確認しておくと手続きが進めやすくなります。

  • 離職票:失業等給付の手続きに使う書類
  • 雇用保険被保険者証:転職先で雇用保険に加入するときに使う書類
  • 源泉徴収票:年末調整や確定申告に使う書類
  • 健康保険資格喪失証明書:国民健康保険などへ切り替えるときに使う書類
  • 退職証明書:退職日や退職理由の証明が必要なときに使う書類
  • 給与明細、賞与明細、住民税に関する案内

営業職で立て替えた交通費、出張費、営業経費、未払いのインセンティブなどがある場合は、退職後の精算時期と方法も確認しておきます。給与や手当の支給条件は会社の就業規則、雇用契約、賃金規程などで確認してください。

営業職の転職で特に確認したいこと

営業職であっても、健康保険や年金などの退職後手続きは他の職種と基本的に同じです。ただし、次のような営業職特有の精算が残ることがあります。

  • 退職後に確定するインセンティブや歩合給
  • 未精算の交通費、出張費、接待費
  • 社用車、携帯電話、パソコン、営業資料の返却
  • 顧客情報や見積書などの機密情報の返却・削除
  • 競業避止や顧客への連絡に関する会社規程

歩合給や賞与が退職後にも支給されるかは、会社の規程や契約内容によって異なります。支給条件を満たしていると思っても、支給日や在籍要件が定められている場合があるため、人事担当者に書面で確認すると安心です。

退職後に行う手続きの順番

  1. 退職日と転職先の入社日を確認し、健康保険・年金の空白期間があるか確認する
  2. 前の勤務先から、離職票、源泉徴収票、健康保険資格喪失証明書などを受け取る
  3. 空白期間がある場合は、健康保険を任意継続、国民健康保険、家族の扶養から選ぶ
  4. 厚生年金に加入しない期間がある場合は、国民年金への切り替えを行う
  5. 転職先が決まっていない場合は、ハローワークで求職申込みと失業等給付の受給資格を確認する
  6. 住民税の納付書や退職時の案内を確認し、必要な税額を納付する
  7. 年内に転職した場合は、前職の源泉徴収票を転職先へ提出する

最初に確認するのは、退職日の翌日から転職先の入社日までに空白があるかです。空白がなければ転職先の担当者へ必要書類を提出し、空白があれば健康保険と年金の切り替え期限を確認してください。